懐かしさを感じる緑豊かな田園と、閑静な住宅街の中心に位置するクリニックです。
ノスタルジックな雰囲気と、清雅な佇まいを併せ持つレトロモダンなデザインが
この地域にふさわしいと考えました。
外壁のベースはライトグレーのスレート材を採用し、シンプルながらも質感のある
レトロな雰囲気を演出しました。
周辺の建物スケールに応じるように分割したボリュームは、親しみを感じる木目や
高級感を演出する黒のタイルによってメリハリを持たせ、地域の景観に寄与した
馴染み深い印象を与えます。
また、連続するリブやスリット窓、ボリュームを繋ぐ庇によって、建物に統一感を生み出し、
纏まりのある外観としました。

車寄せの庇を抜け室内へ入ると、外観の色彩と調和した上品な受付カウンターが患者様を迎えます。
待合室は大開口のガラス窓とすることで、外と繋がるような開放感を実現しました。
内装は暖色系の色彩で構成しています。床材の貼り分け方向や壁の木目方向、
ライン照明の向きなどによる水平ラインを強調したことで、親しみを感じつつシンプルで
スタイリッシュな印象としています。
広々としたリハビリ室にはガラス窓と合わせて庭園を設けることで、外側からの視線を
遮りながら、自然を眺めることのできる心地良い空間としました。