機能を優先
解体前の建物では壁にカビが発生していたとのこと。空調機の排水ドレンが壁内に埋設され、空調を24時間常時可動させた場合、近年の気温上昇等に伴い断熱されていたとしても結露する事案が増えています。その結果壁内でのカビ発生の原因となります。露出配管(スリムダクト)とすることで結露やカビの影響を抑え、更新も容易にしました。
テラスの工夫
テラスの天井に吹抜けを設けることで植栽に雨水が降り注ぐようにしています。
また、テラスに吹き込んだ雨が風によって窓際まで伝った場合は、
排水溝を通って植栽側に抜けるようになっています。
明るいエントランス
入居者が安心して戻ってこられるよう、
エントランスにカーテンウォールを設けることで明るく開放的な空間としました。
すっきりとした廊下と優しいコーナー
寝室前の廊下は暗くなりがちですが、間接照明を設けることで閉鎖感を軽減し明るい廊下としました。
天井に取り付く設備の位置を調整することで、スッキリとした明るい意匠を損なわない工夫をしています。
また、壁の角部は曲面加工にすることで入居者に優しい工夫も施しています。
ユニットを一望できるステーション
スタッフステーションは、両側のユニットが見やすく動きやすいユニット間に設け、通り抜けれる動線を確保しています。
ユニット内の家具をダークグレーにすることで汚れや影による陰影を目立ちにくくし、
木目とのコントラストを強くすることで引き出しや収納などの事務的な部分が見えにくい工夫をしています。
カウンター腰壁を雁行させることで窓からの光による陰影を生み、入居者がカウンターの位置を把握しやすいデザインとしました。
高さ調整できる洗面カウンター
洗面カウンターの一カ所を高さ調整できるカウンターにすることで、
様々な入居者にも対応しやすい配慮をしました。
大浴場の採光と結露対策
個浴とは別に設けた大浴場は、入居者が足をのばして入浴することができる癒しの空間です。
利用する時間帯は昼間が基本となるため、窓からの自然光だけでも充分明るいですが、シャワーの前に座った際、自身の影で手元が暗くなるため間接照明とブラケットを設けました。
天井の結露水は、窓上部の間接照明が結露受となり窓下の排水溝に落ちる仕組みとなっています。
外壁に影をマッピング
外部照明を植栽に向けることで外壁に枝の影を落とし、単調となる外壁に変化をもたせています。