現代的な造形に和の要素を落とし込む
バルコニー先端の水平ラインと、木目ルーバーや黒の縦ラインを強調したデザイン柱による垂直ラインによって
構成するファサードデザインは、繊細で緊張感のある高級レジデンスを演出しています。
アクセント色に明るい木目を採用し、モダンな建物形状に「和」の要素を落とし込んだデザインとしました。
規則正しくリズミカルなデザインの中に、縦に抜ける5層のガラスカーテンウォールを配置することで
高さに対して、間口が大きく感じさせないよう、バランスを調整し変化を持たせています。
高級感の中にある柔らかさを感じるエントランス
建物から跳ね出して大きく構えるキャノピーと、軒天ルーバーが醸し出す緊張感によって
この施設のアプローチを構成することで、特別感を演出しています。
玄関ドアがひとつ開いた先には、柔らかなカーブを施した塗壁が目に入り、温かい光と優しい木目によって
住まわれる方の帰宅に安心感を与えます。
風除室内には、カウンター高さの異なる2つの手洗いがあり、高齢者への細やかな配慮がなされています。
「自游倶楽部 笹原」 の象徴となる空間をつくる
エントランスから待合ラウンジへの空間は、お施主様と話し合いを重ね
施設の目指す理想的な空間をつくることができました。
施設の特徴となる吹抜け空間には、光沢和紙で仕上げた曲面形状の壁が間接照明によって照らされており
柔らかく包み込むような優しさを表現しています。
左右には、光沢のある黒い壁紙と、桃色のアルミを表面にまとったモザイクタイルにて構成することで
素材の違いによる質感のメリハリ、色彩と陰影によるメリハリが生まれ
訪れた人に大きなインパクトを与える空間となりました。
四季を感じるレストラン
入居者は、1日の多くを施設内で過ごすことになります。
時間の流れや四季の移り変わりが感じられるレストランをコンセプトに、自然豊かな庭園を取り込むように平面計画をしました。
大きなガラスを通して、春の桜や、秋の楓など、春夏秋冬と季節の訪れを感じさせる植栽たち。
数種類の苔で覆われた庭園と合わせた、レストランのアクセントカラーである明るい緑の壁紙。
木の年輪を模した柄の床材や家具。
単に食事をする空間ではなく、自然を感じる快適で気持ちの良い空間をつくりました。
空間を彩るアートに応じたインテリアデザイン
アートが持つ空間への彩りを与える力を捉えながら、建築におけるインテリアデザインを進めました。
設置する絵画や書に応じて壁や天井等の形状を定め
アートによって空間の質が相乗的に高め合うよう、壁紙や床材の色彩や質感を選定しました。
ホテルライクな福祉施設としてのレジデンスフロア
住戸のあるレジデンスフロアは、エレベーターホール正面にラウンジを備え
中廊下形状の空間に自然光を取り入れる工夫をしています。
各住戸の玄関にはドア枠の存在感高めた太枠を採用し、ゴールドの玄関パネルと相まって高級感を演出しています。
太枠と同形状のモール材を廊下の壁面に走らせ、明暗の2色の壁紙を上下で使用することで
手すりによる福祉施設らしさを緩和され、ホテルライクな設えとなりました。
住戸は濃いめのウォールナットを床と家具に採用し、アクセントクロスの異なる4種類の室があります。
設えはシンプルな形状とし、住まわれる方が住みやすい空間となるよう心がけました。