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設計事例

CHUNICHI DESIGN

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自動車ショールーム

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トヨタモビリティ東京株式会社 小平BS前店

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カーディーラーにできること、すべて。 東京都小平市

駅前の再開発が始まり、新たに注目を集めている小平市小川駅地域の新店舗計画です。

この施設は、既存の2店舗を統合し広域のお客様に対応できる新拠点として、ショールームや中古車展示場を備え、広い修理工場や車両格納スペースの確保といった要望を実現した店舗です。カーディーラーにできるすべてのサービスを提供するといったコンセプトの通り、地域における新たな存在感を示した建物が誕生しました。

交差点からのファサードは、大型サイネージと内照式TOYOTAサインを2階部分に、そして1階部分はフレームのないシームレスなガラス面を一体的に配置しました。サインとショールーム内の賑やかさがファサードの中で際立ち、強い視覚的訴求力を発揮し、新店舗としての認知度を高めることを目指しています。交差点部以外の外装には、1階ガラス面の方立ピッチを基に、木目調のルーバーと壁面緑化を組み合わせることで、温かみと親しみやすさを感じさせ、地域に長く愛される店舗デザインが実現されています。
インテリアにも配慮が施されており、暖色系を基調とした色彩計画の中に、明暗2色の木目を巧みにアクセントとして取り入れ、明るくカジュアルながらも落ち着いた空間が広がります。

1階はお客様ゾーンとして、駐車場やショールーム、新車展示場、中古車展示場、さらに小規模なサブ修理工場などが配置され、来店客にとって快適で利便性の高い設計となっています。2階にはメインとなる整備工場と車両置場が設けられ、3階には30台以上の車両を格納可能な広大な車両置場を完備。都心型のカーエレベーターを利用した多層型のカーディーラーとして、効率的で機能的なプランが実現されています。

加えて、新店舗は地域社会とのつながりを大切にし、自動車や自転車のシェアサービス、急速充電ステーションの設置など、日常的なモビリティライフへの貢献にも力を入れています。さらに災害時に備えて、太陽光発電システムと蓄電池を導入し、約700Lの上水を確保。また、生活用水として誰でも利用可能な「みんなの井戸」を設けるなど、地域の生活基盤を支える取り組みがなされています。このように、カーディーラーとしてできる限りの社会的役割も果たした、地域に貢献する施設が完成しました。

  • 竣工

    2024年12月

  • 用途

    自動車ショールームおよび自動車修理工場

  • 構造

    鉄骨造

  • 延面積

    2,833.64㎡

  • 階数

    3階

サインや大型ビジョンを建物と一体化させ、訴求を高めるデザイン

交差点に面したファサードは、角地といった敷地条件を最大限に活かすことを目指し検討を行いました。
2F部分に設置したTOYOTAサインと大型ビジョンは、
遠くからこの場所にトヨタ店があることを、視認させる役割があります。
1F部分はショールームを一面に映すため、方立のないガラスのカーテンウォールを採用しています。
角地のファサードを強調するように、サインとビジョン、そしてガラス面を
一体的に構成することで訴求を高めるデザインとしました。

ファサードに壁面緑化を取り入れた理由

道路に面した2層のファサードデザインは、1Fのショールーム内部を映すガラスと、
2Fの木目のルーバーと壁面緑化をリズミカルに配置した親しみやすさのあるデザインにより構成しました。
店舗建設前の敷地には、10mを超える大木が景観を形成しており、
新たにオープンするトヨタのお店が地域の方へ少しでも受け入れていただけるよう
できるだけみどりを取り入れたデザインとしました。

また、交差点の大型ビジョンには、公共広告を映すことで地域貢献に寄与しています。

都市型と地方型の両方の特徴を備えたカーディーラー

 

 

小平市は東京都23区外であり、都内の店舗の中では比較的広い敷地を有する店舗です。
ただ、地方型のように、1Fに全ての機能を配置する計画ができるほどではありません。
そこで、1Fとなる地上部分に、ショールームやお客様駐車場に加え、納車室や新車の展示スペース、
中古車の展示スペースといったお客様ゾーンを集約させ
2Fには自動車修理工場とスタッフバックヤード、3Fには屋上車両置場を配置した計画としました。
自動車の縦移動は自動車用エレベーターを採用し、省スペース化を図っています。
また、人の動線として重要となる、自動車修理を担当するスタッフの歩行距離が
最短になるよう階段の数量と位置を綿密に検討しています。
トヨタモビリティ東京 小平BS前店では、
地上に広く展開する地方型のカーディーラーの特徴に加え、
限られた敷地の中で機能を縦に積んでいく都市型カーディーラーの特徴を融合した店舗が実現しました。

お客様の購入体験を特別なものにする納車室

自動車の販売台数は人口減少や若者のクルマ離れから、緩やかに減少しています。
トヨタの正規カーディーラーで購入したという購入体験を、他では味わえない特別なものとして演出するため
納車室には、様々な仕掛けを備えています。
ひとつ目は、2室の納車室は可動間仕切壁によって1室としての利用が可能となり
これまで乗ってきた「マイカー」と、これから乗ることになる「マイカー」を並べられるという仕掛けです。
ふたつ目は、照明です。
透過性のある乳白の膜素材により光源を見せないよう施した天井照明と、壁面を照らす間接照明は
次世代の調光調色機能を備えた照明器具を採用し、121色のカラーで納車室を照らします。
お客様が購入した自動車が最もきれいに見えるよう、お客様とのファーストインプレッションを演出します。

地域とのつながりを大切にする「町いちばんの車屋さん」

「町いちばんの車屋さん」として、自動車の販売や修理はもちろん、
地域貢献にフォーカスし、様々な取り組みを実施しています。
それは、カーシェアやシェアサイクルなど、人々のモビリティに寄り添うサービスをはじめ、
小平BS前店では、断水や停電といった災害時に、地域に開放して水や電気の提供ができる店舗づくりを行いました。
停電時には、蓄電池と連携した太陽光パネルによる発電だけでなく、
電気自動車から建物への電力供給を可能とするV2Xシステムが電気の使用を可能とします。
断水時には、水道直結型の貯水タンクを720L分設置し、
さらには、「みんなの井戸」として井戸を地域に開放することで生活用水の確保を実現しました。
様々な災害対策が広く認知されることも必要であり、小平市との協議の上、
行政のハザードマップにも反映させることで、安心して地域の方が使っていただける環境を整えています。

これらひとつひとつのBCP対策が有効に、そして、施設全体を通して地域に貢献できるよう
「カーディーラーとしてできること」といったコンセプトのもと検討、提案を行い実現に至りました。

「働く」を支える仕組み

一企業において、働く方の職場環境を整えることはあらゆる分野で課題となっています。
カーディーラーでは、自動車整備場の環境改善として、一般的な事務室同等に空調を整備することが求められています。
ただし、整備場は自動車搬入の大開口があること、整備機械用の大型換気設備が備えられることから
多くの外気流入といった空調不可があります。
こうした条件の中、実際にスタッフが長く滞在するエリアを中心に空調された空気がわたるよう考慮し、
換気扇による空気の流れを踏まえ、各整備機器の配置を定めることで、効率的な空調設計を行っています。
また、小平BS前店においては、整備場が2Fにあることから、断熱された壁と屋根で空間を囲い、
外気の流入を極力抑えた、より空調効率の高い工場が実現しました。

また、1階から3階の縦移動に、スタッフ用乗用エレベーターを備え、
重たい荷物の運搬や、1階から3階へなどの移動といった、働く方の負担低減を図っています。
スタッフバックヤードには、休憩室や浴室・シャワー室付きの更衣室もあり、働く方を支える施設づくりを行いました。