東京都板橋区の荒川近傍に位置する既設営業所のスケールアップ及び機能拡充による新築移転です。周囲には工場が立ち並ぶ中、住宅地にも隣接する立地条件であり、事業所としての機能だけでなく周辺地域や環境への配慮にも取り組む必要がありました。

本建物は従来の営業所の機能に加え、フォークリフトの技能講習場、自社の整備技能講習場、自社製品の展示スペース等を兼ね備えた多機能型事業所で、従業員だけではなく講習の受講生や顧客等の来場も想定されることから周囲の建物とは一味違う存在感やアピール力が求められました。

１階部分から最上部まで伸びるカーテンウォールとダークグレーの鋼板を組み合わせると共に、木目調の外装と壁面緑化を設えることにより、先進性やスタイリッシュさだけではない、柔和で環境的なイメージを併せ持つファサードデザインとしました。

整備工場や技能講習場では安全性を第一に、ゆとりあるプラン構成と視認性の高いカラースキームにより機能性と利便性を追求しました。一方でエントランスやラウンジ、事務室等は、白を基調としながらも木目調や異なるテクスチャのアクセントをあしらうことで明るさと居心地の良さを追求したデザインとしました。

また、壁面緑化を始めとする建物の断熱性能の向上、高効率型空調機器や自動調光型照明器具、太陽光発電システムの導入等によりZEB Ready（50%以上の一次エネルギー消費量削減）の認証を取得し、高い省エネルギー性能と機能を併せ持つ、フラッグシップベースと呼ぶに相応しい建物となりました。